メタボリックシンドロームの基準が変わる⁈
さて、生活習慣病の次はメタボリックシンドロームについてです。
私たち日本人は言葉をすぐに省略する傾向にありますが、こちらももれなくそうですね。
メタボと三文字になると途端に軽妙な響きになるから不思議です。
ただ...
軽妙な響きに慣れてきてはいませんか?
決して軽く見てはいけません。
ここであらためて説明させてください。
内臓脂肪型肥満に加えて、高血圧・高血糖・脂質異常のうちふたつ以上当てはまったら...
メタボリックシンドロームと判定されます。
基準値は以下の通りです。
・内臓脂肪型肥満→腹囲 男性85センチ以上/女性90センチ以上
・高血圧→収縮期(最高)血圧130mmHg以上/拡張期(最低)血圧85mmHg以上
(どちらかひとつ、または両方当てはまる)
・高血糖→空腹時血糖110mg/dL以上 ヘモグロビンA1c 6.0 %以上
空腹時血糖が得られないときはヘモグロビンA1cで判定
・脂質異常→中性脂肪150MG/dL以上 HDLコレステロール40MG/dL未満
(どちらかひとつ、または両方当てはまる)
基準は国内外複数ありますが、現時点では日本内科学会など8学会合同策定によるものが採用されています。
さぁ、基準値ですが、ずっとこのまま継続されるものではなく、今後変更される可能性は大いにあります。
現に今、新潟大学が診断基準の新たな修正案を発表しています。
それによると、腹囲は男性83センチ、女性77センチに、中性脂肪値や空腹時血糖値、HDLコレステロール値もより厳しい変更が提案されています。
判定の厳格化で、メタボリックシンドロームの該当者は女性を中心に激増しますが、それによって心血管疾患の高リスクの方々のピックアップにつながり、見逃し抑止につながるとしています。
ここで注目すべきなのは、腹囲にこだわりすぎないということです。
日本では、肥満ではないけれども、動脈硬化をはじめとする疾患の発症リスクを抱える方が多いのです。
肥満か否かも健康上大事ですが、肥満でない方も安心することなく、40歳以上になれば皆さん等しく年に一度の特定健診をお受けいただきたいと思います。
もし生活習慣病やメタボリックシンドロームと判定されても、早期の段階であれば回復は難しいものではありません。
一病息災という言葉もあります。
医療機関を上手に活用して、ご自身の健康維持に役立ててください。