健康な皮膚を育てましょう②。
前回、皮膚の再生サイクルの正常化には、植物性・動物性タンパク質の十分な摂取が必要だと書きました。
(もちろん、バランスの取れた食事内容であることは前提の上です。)
耳障りのよい宣伝文句に飾られた健康食品、美容食品に踊らされることなく、知性を持って判断し、できるだけご自分の口から栄養を摂って、健康な皮膚を育てていきましょう。
今回は、皮膚に良い水溶性ビタミンについて書いてみようと思います。
ビタミンB2、B₆、パントテン酸、ビオチン、葉酸などです。
それらはいずれも腸内細菌により合成される(腸内環境が皮膚にいかに大切かをお分かりいただけると思います。)ので、通常の食事をしていれば特に不足することはないのですが、必要以上に抗生物質を服用していたり、偏った食事をしている場合は、腸内細菌叢が変化してしまうので、注意が必要です。
ビタミンB2の皮膚における主な働きは、新陳代謝の亢進、血液循環の改善及び発育促進であり、不足すると、口角炎、口内炎、脂漏性皮膚炎、舌炎などを起こしてしまいます。
ビタミンB₆の主な働きも同じく皮膚の新陳代謝亢進。さらには、抵抗力の強化、乾燥防止が挙げられます。
不足すると起こる症状も、大体においては同じです。
上記のビタミンが多く含まれているのは、うなぎ、レバー、肉類、魚介類、豆類、卵黄、乳製品、牡蠣などでしょうか。
アボカド、レバーなどに多く含まれる葉酸も、皮膚などの細胞分裂に不可欠な成分です。
また、皮膚の細胞の活性化やターンオーバー(皮膚の再生サイクル)の正常化に大きな役割を担っているビオチンは、肉類、魚類、卵、豆類などに多く含まれており、これもまた皮膚には重要な成分です。
何度も書いて恐縮ですが、皮膚と腸内環境は非常に密接に相関し合っています。
ですので、当院では、皮膚疾患の患者さんに、腸内環境を整えるために胃腸薬も処方しています。
時に、胃腸は悪くないのですが、、とおっしゃる方がありますが、皮膚は内臓の鏡であるがゆえに、そういった薬は必要であると考えていますので、服用頂きたいと考えます。
ビタミンB群に分類されるビオチンも、アトピーなどの皮膚疾患に効果がありますので、症状を拝見したうえで、処方する場合があります。
ご質問などありましたら、診察の際にお気軽にお尋ね下さい。
さて、長くなってしまいました。
次回は、重要なのに体内で合成できない水溶性ビタミン=ビタミンCについて、書いてみます。
まさに早春といった今日この頃の天候。
体調を崩しやすいですので、どうぞお気を付けください。
妻が、先日、日比谷花壇さんのレッスンで作ってきたテラリウムです。
受付横に置いていますので、見てやってください。
結構、可愛いですよ(笑)。