糖尿病の合併症について③
先日、高槻市民念願の(⁉)インターチェンジが開通しましたね。
いつになるのだろう、、と本当にずっと前から思っていましたが、いざなってみると、確かに便利極まりないのですが、それほどの高揚感もない自分に戸惑っている今日この頃です。
忙しすぎる日常に、少し感動のスイッチがオフになっているのかもしれません、、。
早くカラダもココロもゆっくりと弛緩させてあげないと、干上がってしまいます(苦笑)。
まぁ、冗談はさておきまして。
随分間が空いてしまいましたが、糖尿病の合併症について書いてみたいと思います。
今日は合併症のひとつのタイプ、大血管症についてです。
まず声を大にして言いたいことは、糖尿病の患者さんは、心臓血管系の急性疾患=冠動脈疾患を発症し、それによって生命を脅かされるリスクが高いということです。
これは、データに立証されている事実であり、また非常に好ましくない事実でもあります。
なぜそういうことになってしまうのか?
その原因は、ズバリ脂質異常です!
原理を簡単に説明してみましょう。
糖尿病になると、糖をエネルギーに変換するインスリンが効きにくくなったり、不足していきます。
インスリンには、血液中の脂質を体内の脂肪組織や筋肉に取り込む働きがありますので、これが不足すると、血液中の脂質が増加してしまうのです。
また、同時に、善玉コレステロールが減ったり、悪玉コレステロールが増えたりし、そのために脂質異常がどんどん進んでいきます。
そうしたことで血流が悪くなり、心臓血管系の急性疾患=冠動脈の病気を発症してしまうのです。
脂質異常には高LDLコレステロール血症・低HDLコレステロール血症・高トリグリセライド血症の3タイプがあるのですが、心疾患のリスクを高める原因がLDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロールですね)ですので、高LDLコレステロール血症に注意することが大いに重要と言えます。
糖尿病の患者さんは、コレステロールの(小腸での)吸収が高まりますので、高LDLコレステロールになる可能性がある⇒生命に関わる大血管症になりやすいのです!
ですので、糖尿病と診断されたら、脂質異常の改善に頑張って取り組む必要があります。
次回は、脂質コントロールのアプローチの仕方について書いてみます。
さて、今日、患者さん用駐車場から診療所までのスロープに、美しい椿が花を咲かせているのに気づきました。
夏の花も勢いがあっていいですが、冷たい空気の中で凛と咲く冬の花はまた格別の趣がありますね。
フッと自然に笑っている自分に気づきました。