胆のう・胆管の病気(胆石・胆のう炎、胆管がん、胆のうがんなど)
胆管(肝内胆管、肝外胆管)は肝臓から十二指腸をつなぐ胆汁が通る管のことです。長さは約10~15cm、で太さは0.5~1cmの管です。
胆のうは、胆汁を一時的に貯めて濃縮する袋状の臓器で、西洋梨状の形をしています。食事をする際に貯めていた胆汁を胆管を通じて十二指腸に出す役割があります。
胆汁は肝臓で生成される黄褐色でアルカリ性の液体で、食べ物とまじりあって、食物の消化を助ける働きがあります。
胆石症
胆汁の成分が固まって石状になり、胆管や胆のうに溜まる病気です。女性の方、肥満気味の方、中高年の方に多いとされています。
痛みや症状を伴わず、日常生活に支障を来たさないことも多いため、検査によって初めて見つかる場合があります。
ただ、右側のみ肩がこる、背中が痛いなどの症状がある場合は、胆石がある可能性がありますので、お早目の検査をお勧めします。
炎症が生じている場合には、薬物による内科的治療や内視鏡による治療、超音波による破砕治療などがおこなわれます。
胆のう炎
胆のう炎は、胆石症や細菌感染などが原因で起こる胆のうの炎症です。胆のう炎は9割が胆石によっておこるとされています。
最近ではタバコとの関連性も指摘されています。
急性胆のう炎、慢性胆のう炎、無石胆のう炎、気腫性胆のう炎と様々な種類があります。
急性の場合は腹腔鏡などによる手術による摘出手術が必要になります。
<胆管がん、胆のうがん>
胆管、胆のうにできるがんを、胆管がん、胆のうがんと呼びます。
胆管がんはさらに、肝臓内の胆管に出来る肝内胆管がんと、肝臓外の胆管に出来る肝外胆管がんに分けられます。
胆管にがんができると、胆管自体が非常に細いために、たとえ小さながんでも(胆管が)詰まりやすい状態になります。
胆管がふさがれ、胆汁の流れが塞がれると、黄疸が見られ、白目や手のひら、皮膚が黄色くなり、かゆみも感じるようになります。
褐色尿が出たり、便の色も白くなります。
但し、全ての胆管がんの初期に黄疸が見られるわけではなく、肝臓内の細い胆管や胆のうにがんができた場合は、黄疸は出にくく、進行してから症状が出てきます。
みぞおちから右上腹部にかけての鈍痛、食欲不振、体重減少、全身の倦怠感、発熱などがそれにあたります。
胆のうがんは、胆石と関係があると言われています。
加齢により胆石はできやすくなりますが、食生活に気を配る(=脂質の多い食事を減らす、野菜を多く摂取する)ことで胆石の予防に留意すれば、必然的に胆のうがんのリスクを下げることにもつながると言えます。
気になる症状がおありの方は、お早めにご相談ください。